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ウィッカ・ケミストリ

ウィッカ・ケミストリ

【概要】

薬品を取り扱う星外企業であり、ヴィルーパ上層に支社を構える。本社の所在地は小惑星ペイガム。
ウィッカの取り扱う製品は各種医薬品や研究用試薬といった一般的な「薬」だけでなく、飲用することで奇妙な効果を発揮するものや、薬液自体を他者を攻撃する武器として使用できるものといった特殊な薬品も含まれる。それらの薬品は「ポーション」と総称され、ウィッカ社の主力商品となっている。
ポーションはその効能の強力さに応じて大まかに第一種~第四種の階級付けがされ、階級の高さに応じて価格と入手難度は上昇する。
ヴィルーパで流通されるポーションのうち第三・四種のものは後述するジェネリック品含め中・上層で通常の医薬品同様手軽に入手でき、第二種品は高価なものの民間人でも購入可能。第一種のものは一般には卸しておらず、企業相手や研究目的での取引が殆どとなる。

【ポーションの製造と『大釜』】

ポーションはウィッカ社が保有する『大釜』と呼ばれるテクノロジーによって調合される。
ポーションの調合には様々な素材が用いられ、素材調達のためウィッカ社は多くの星外企業と契約を結んでおり、その縁からヴィルーパ以外の多くの惑星に向けても市場を広げている。
また『大釜』の機能を絞り小型化・量産可能とした『醸造台』の貸出も行っており、醸造台のサブスクリプション代(妥当ではあるが、毎月少し渋りたくなる程度の価格である)を払うことで借用者はそれを利用し精製したジェネリック・ポーションの販売が可能となる。醸造台の利用者は「薬師」と呼ばれ、ウィッカの勢力拡大に間接的に貢献している。
なお醸造台は貸出の際に借用者の指紋・虹彩といった生体情報が登録され、使用時は生体認証によってロックを解除する必要がある。また使用中も調合材料や完成品のログが記録され、ウィッカ社へ全て送信される。そのため盗難品の使用や違法なポーションの調合は通常行えないが……

【違法薬師『魔女』】

醸造台の性能、および調合難度等から薬師が作ることのできるジェネリック・ポーションには第三種までという制限があり、またウィッカの提供する素材のレシピに従わなければ安定した調合を行うことができない。そのため薬師によってポーションの種類や効力に大きな差が生まれることは無い(調合技術の練度やレシピ範疇の工夫によって小さな差は生まれる)が、近年はログのトラッキングを解除し改造を施した醸造台でレシピ外の調合を行う違法薬師・通称「魔女」が増加しており、魔女らによる特異な効力を有した違法ポーションが裏市場で流通している。
調合の素材等に共通性を持った魔女が徒党を組み派閥となる場合もあり、人間の死体を用いた調合を好む『屍蝋館』やオーパーツの素材化を研究する『O∴O∴(オーツ・オー)』など組織として大型・危険化した一派も存在する。
魔女の多くは秩序の届かない下層に潜伏し、中・下層の犯罪組織を相手に取引を行う。特に違法ポーションの各地への売買を行える各マフィア組織との関係は深く、組織に属し専属魔女として活動する者も少なくない。
ウィッカ社は表向きは違法ポーションの徹底的な取り締まりを掲げているが、強力な魔女一派は研究による新たな調合レシピの提供と上納金を引き換えに不問とされているのが実態である。

【観測者との関係】

ヴィルーパ原産の希少素材を求めるウィッカ社と、苛烈な戦闘やオーパーツに関わる研究においてポーションのような効果的な薬剤を必要とする観測者はその需要と供給の一致からヴィルーパ上で蜜月の関係にあり、その関係深さは観測者への『大釜』の7割程の性能を有した特注醸造台の貸与にまで至っている。
観測者内では開発部・医務課が主な調合を担当する他、異常生態課が取り扱う各種生体に関わるものを精製している。