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オーゲン症

オーゲン症

原因

オーゲン症は辞書プログラムの参照ずれによって発生する。
「異星言語辞書」「偉人の言葉百科」「自然科学用語集」「上層民の振舞い:言語編」と言った辞書プログラムは数多く存在しており、人種や風習のミックスとなっているヴィルーパでは、これらを使いこなすことで臨機応変なコミュニケーションが可能となっている。
オーゲン症に罹患すると、発話の際もしくは聴取の際に受け取った情報が適切な辞書で処理されず、別の辞書を誤って参照することで本来の意図とは異なる出力となる。

参照ずれを起こす要因としては、辞書プログラムの詰め込みすぎによる迷路状態、同音異語な言語を使った際のフォーマットの誤った自動変更が考えられる。
近年多いのは「ミームによる過学習」であり、既存の言語に登録されていない意味合いや用途が更新されすぎることによる意味のオーバーフローが要因となっている。

症状

ある言語によって何かしらの“意図”を出力あるいは入力する時に、辞書プログラムによる誤変換が生じることで、意図した意味を表す言語で扱うことができなくなる。
これは自身の発話を耳で聞いた際にも適用されるため、自然に自覚することは難しい。(一応、鏡を前に発話することで自覚可能とされる。)
初期症状および未病の時点では「発話の0.1秒程度の遅れ」が主な症状となる。これは辞書プログラムの処理落ちによるものである。

商談時などの重大なコミュニケーションの際に発症した場合は地位の破滅を意味するため、なるべく早期の治療が望ましい。
なお、辞書プログラム構成が似通った人種間におけるコミュニケーションでは双方にオーゲン症が発生することがあり、誤変換の起こった発言の元の意味を互いに理解できることから、支障なく会話を続けることができてしまう。
なお、傍から見たら異常者たちが熱狂しているようにしか見えないため、症状を発見したら早めに声をかけてあげることが望ましい。

検査・治療

プログラムの不調のため、辞書プログラムの再起動で大抵の症状は治まるが、ミーム関連の場合は言語の再定義及び固定化が必要となる。
この際に用いられるのがスタンドアロン教師AI「ZAEN」であり、患者はこれに接続してシステムを走らせるだけで症状の改善が可能である。

ZAENによる固定化とは自動応答による意味の明確化であり、哲学的問答を行うことである。
ソクラテス式問答に似たことを行うため、患者はその言語の意味をZAENに納得させるまで繰り出すことになる。
意識のある状態では多大なるストレスを生じるため、治療時は意識を鎮静化するプログラムが並列して走ることになる。

この治療を受けた患者は一種のトランス状態となり、集中力の増大や判断力の向上が見出されているため、治療を受ける者の中にはオーゲン症を発症していないものも居る。

症例

  • 取引先に挨拶をしようとしたら自然科学用語集を参照してしまい、「これはDNAですね」という意味不明の発言をしてしまった。
  • 偉人の名言で議論をしていると思ったら、口喧嘩をしているだけだった。
  • 老人二人が猥談をしているように見えて、手元の紙には複雑な数式が書き連ねられていた。
  • 犬の鳴き声で話す下層の集落があるらしい。

etc…