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ロジオン・テック

ロジオン・テック

【ロジオン・テックについて】

ロジオン・テックはヴィルーパ発の工具・電機系中堅メーカーであり、ユーザーの声に寄り添う製品作りを企業理念に掲げる。

その理念の通り、ロジオン製品は高い機能性と低価格を兼ね備え、購入後のサポートも充実している。特に製品の全てに適用される『最大5年の購入後保証』は最大の特徴である。

だが製品クオリティとサポートを保証する代わりか製品の流通量は少なく、人気のモデルは長くて5年(奇しくも保証期間と同じだ)は入荷されない事もザラにある。

スーパーマルチのほか代表的な製品は宇宙空間での作業を想定したポータブルプラズマ接合・切断機「スペースライナー」や飲食店向けの冷蔵庫「ヒョウテン3」など。製品の多くはプラズマテクノロジーを利用しており、「プラズマならロジオン」と称されることも。

【ロジオン・テック製マルチツール「スーパーマルチV2」】

中層の工具メーカーロジオン・テックの多機能電気工具『スーパーマルチ』シリーズのベストセラー。

十二企業職員のような多様な職務を請け負う使用者に向けたハイエンドモデルであり、ある程度の荒事や緊急事態にも対応できる。

主機能は「溶断」「掘削」「接合」「放電」など。電熱器とプラズマ投射機構を備え、熱による切断・接合や投射プラズマ光線による掘削を可能とする。

【偽ロジオン製品、通称「ロジオフ」】

「ロジオン製品」というブランドの持つ信頼性、そして流通量の極端な少なさという特徴のために、予約を待つユーザーをカモにする「偽ロジオン製品」の存在が問題となっている。

それらは俗称として「ロジオフ」と呼ばれ、酷使された中古品や廃棄され市場に並ばなかったエラー品を新品と偽り販売する手口から、ガワだけ寄せただけのジャンクを売りつけるといった悪質なものまで様々である。 「ロジオフ」は主に犯罪組織や下層の犯罪者によって捌かれており、その収益は彼らの懐へと収まる事となる。

ブランドの信頼を重んじるロジオン・テックは正規ロジオン製品の流通阻害や風評被害に繋がりかねない「ロジオフ」を問題視し、ロジオン直接の販売店や正規代理店だけを利用するようにと注意を呼び掛けている。

【他社との関係】

ロジオン製品は他社製品に対し性能で優位を取っており、十二企業エージェントなど高性能を必要とするユーザーには重宝されるが、一般企業においてはその入手難度は勿論「そこまでの高性能を必要としていない」という点で選択肢から外されることが多い。 オーバースペックな希少品より直ぐに数を確保できる他社製品の方が用途に合っている現場が普遍的であり、ロジオン製品はツールに命を預ける必要のある危険な現場(修羅場や宇宙だ)でのみ姿を現すものと市場内で差別化されている。

【ロジオンのウラ話】

ロジオンテックは特に陰謀を帯びている訳でもない、真っ当なメーカーである。

商品製造に用いられるテクノロジーに異常性はなく、その高品質はあくまで技術の粋を集めたが故のもの。

だが一点、ロジオン製品の『購入後保証』は「親切すぎる」「素直にやってたら採算が取れない」と不気味がられる事がある。

実際のところ、その疑問は正しい。

ロジオンの保証は『ロールバック・ジャスト・オンセット・アーカイブ(以下RjOA)』と命名された、函と電子端末で構成されたオーパーツによって成立している。

RjOAは人工の物品(ロジオン社においては出荷前の製品)を「アーカイブ化」し、保証期間―――アーカイブの貯蔵可能期限中であれば対象製品を記録時点まで「復旧」する事ができる。

究極の復帰システム、「出荷時の状態に初期化」を物理世界でやってのけるマシンである。

ただし「貯蔵可能期限」と先述したようにアーカイブはRjOA本体の損耗故か時間経過によって劣化していき、一定の期間(最大5年。アーカイブ全体で1000年までの合計限界年数が存在しており、ロジオン製品の流通量の少なさはそのため)を超えると「巻き戻し」が不可能となる。そのための保証期間である。

あくまで大量生産や修復能力の付与ではなく「既にあるものを入れたら直して返す」だけのシステムであり、自ずと用途は限られる。

また「アーカイブ対象にできる物品」それ自体にも最初に解析・登録によるセットアップが必要となり、巨大なもの・精密な物であるほどセットアップには時間が掛かる。一般的なロジオン製品であれば数ヶ月から一年程度で済むが、仮に観測者が用いるような大型かつ特殊な設備を登録するとすれば100年以上は必要であり現実的ではない。

RjOA自体が(比較的)ささやかな使用法を想定している遺物ではあるが、このような代物を客の満足度向上にのみ用いているという点で、ロジオンは奇妙な真面目さを持った企業と言える。