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下層の生物

下層の生物

ローバード

下層の都市部を離れた荒地に巣を作る鳥。

鳥にもかかわらず低い場所に巣を作ることから名付けられた。
主にマメ類を主食としているが、だいたいは消化不良で体外にそのままの形で排出される。
そのマメを処理して作るコーヒーは、とても爽やかな味になるため中層や上層でも高値で取引されている。
下層ではむしろこれが主流になっている。

バイオ鱒

ヴィルーパ全域に生息する、石油に似た性質の油分を蓄える魚。

その性質上、食用には向いておらず、バイオ鱒以外の生き物から狙われることはない。
遡上は12月から1月に始まり、1ヶ月程度で孵化、1ヶ月程度で腹部の卵嚢の栄養(多量の油分)を吸収する。
その後1ヶ月ほどかけて下層の油溜まりまで降層し、その間一切の食事を行わない。
油溜まりでは、多くの油分と自身より小さなバイオ鱒を餌とし、成熟するまでの約20ヶ月を過ごす。
非常に早熟なため大きな個体でも30cm程度である。
成熟した個体は遡上し産卵活動をおこなう。
遡上をおこなう理由の多くはわかっていないが、一つに油溜まりにいる他のバイオ鱒に卵を食べられないようにするためと考えられている。
産卵後は再び油溜まりまで降層し、その生涯の幕を閉じる。
死骸はしばらくすると油分に含まれた微生物に分解され、他のバイオ鱒の餌となる。

食物連鎖から外れ、独自の生態系をもつこのバイオ鱒が、化石燃料の代替物となる可能性を秘めていることが近年の研究で判明した。
しかし燃料とするには個体のサイズが非常に小さく、1匹からとれる油が少量であることから研究は難航している。

産卵期のバイオ鱒は見た目が華やかで美しいため、上層では縁起物として好まれている。

バイオ鱒を食べる事による油の過剰症、通称「イシナギ病」が下層では毎年数名から数十名罹患している。

生石(おいいし)

下層にて産出する鉱石。

人肌程度に暖かいため、生きている石という意味で生石(おいいし)と呼ばれる。
超極小規模の核熱反応が内部で起きているため軽く熱を発している。
しかしエネルギーに使えるほどではないので実用性はあまりない。ぬるい湯たんぽくらいにはなる。

その大小にかかわらず人肌を保ち、たくさん集めてもなぜか熱が増えない不思議な鉱石。

医岩石(いがんせき)

下層の深部で採取できる鉱石の一つ。

持っていると生物の新陳代謝を上げて治癒力を高めてくれる。
不衛生で生存率が極めて低い下層民の一つの生命線。
砕いて飲むと治癒力が更に高まるが、摂取量を間違えると過剰に働いてしまい、癌細胞のように細胞が異常増殖して死に至る。
死ななくても正常な生物ではなくなってしまい、医岩石を常に求める亡者と化してしまう。

正体は、過去にナズナ局員が戦艦と一緒にヴィルーパに墜落した時、飛び散った破片に含まれていたナノマシンが自己保存のために結晶化したもの。
元々医療用として扱われるものではなく、船を修理・維持するタイプである。
本来は戦艦などの船舶に対して使用されるものであり、それに比べて小さい生物に使われる可能性を全く考えていなかったため、生物にとっては異常増殖が起きていることとなる。
亡者となってしまう理由としては、思考回路がナノマシンに支配されてしまい、自己増殖のための苗床となるために深部を目指すことから。

無力化するには生物がギリギリ耐えることができ、かつナノマシンが耐えきれない電流を流すか、もしくはある一定の周波数の音を流してナノマシンの自己崩壊を起こさせるかになる。

黒山羊

とある研究所にて、オーパーツの実験として作られた生物。

全身は黒く、無数の棘が生えており、近付くだけで体組織を破壊する非常に強烈な毒素を周囲に放っている。
当然棘にも毒があり刺されるとその箇所は壊死してしまう。
毒素が強いほかに獲物を喰らう為の強い顎があるが、凶暴性は低い。

量子喰蟲

量子を喰んでいると思われる蟲。りょうしはみむしと読む。

「喰む」の言葉通り、量よりも質を重視する傾向があり、主に純度の高い金属を好んで食害する。
一度に受ける被害規模が小さいため、見過ごされやすい。
ゆっくり着実に金属が軟化されるため、あとになって発覚した際には甚大な被害になっている場合がある。