中層のシステム
Architechs ”アーキテクス”
ヴィルーパには技士やスミス、ドクのような様々な専門技術を扱い生計を立てている者達が数多くいる。
彼らの使う技術は遺物からくるオーバーテクノロジーから最先端のテック技術など様々な種類がある。
それらの技術の総称をArchitechs“アーキテクス”と呼び、それを扱う技術者のことはArchitica”アーキティカ“と呼ぶ。
彼らは総称として”アーキティカ”と呼ばれているが地域や慣れ親しんだ者達からは特徴のある呼び名で呼ばれていたりと ”アーキティカ”の例に当てはまらない者達も存在する。
”アーキテクス”を扱える技術者である彼らは様々な層で活躍し、ヴィルーパになくてはならない存在になっている。
———一部参考報告書記述———-
『自分の腕より精度の良い腕は作れない』と格言にある通り、腕のいいアーキティカであるほど精密性を極度に上げた義手をつける傾向にある。
しかしただ一人、”トングズ”と呼ばれるアーキティカに限ってはこの例には当てはまらない。焼けた鉄を平気でつかめるような、文字通り”火ばさみ”のような両腕で作り出される義手は精緻を極め、下層に構えた彼の工房には中層、噂によれば上層からも客が訪れるという。
タバコについて
カートリッジ式タバコ
惑星ヴィルーパで使われているカートリッジ式のタバコ。
主に中層成人男性が好んで使い、カートリッジ部分に固形薬が入っておりこれを付け替えることによって味や吸いやすさが変わる。
本体部分に付いている加熱機能を使うことによってカートリッジ部分を熱し発生した水蒸気を吸い込むことで体に薬物を浸透させることができる。
効果はカートリッジに依存しており、健康的な物から違法薬物などいくつか種類があり、ブランドとしても発展している。
AMO无(アモン)
一般的に販売されているタバコ用カートリッジのブランド。
薬の味は少し癖があり、吸い込んだ際の後味が癖になるようで一定のファンが根付いている。
種類によっては眠気覚ましや覚醒効果があるものを売っており社畜の人達には嬉しいタバコである。
水嚥携器(すいえんけいき)
タバコ用カートリッジであるAMO无(アモン)を使用できるタバコのブランド。
こちらもロック機構が搭載され、ロックボタンを押しながらでないと吸えない。
CC2023年現在では、第4世代である水嚥携器4型が販売されている。
水を嚥下(のむ)するように吸えると評判のブランド。
GusTO (味覚チップ)
ヴィルーパは移民による不特定人種の拡大の影響による食に対するバラエティーの増加に対応する為、義体または人体拡張スロットに味覚チップを刺す事で様々な味覚に対応する事ができるようになっている。
動物の五感の一つである、食する物質に応じて認識される感覚において生理学的には甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の五味が基本味に位置づけられているが、様々な人種の味覚に対応するべく味覚チップの拡張性は五味の範囲を超えて設定されている。
安い物などは使い捨てではなく再利用などがされていたり、高級になるものにつれて使い捨ての傾向がある。
近年、種族によっては脳のキャパシティーを超えてしまう可能性がある違法性の高い味覚チップが出回り始めた為、D.G.による取り締まりが強くなっている。
中層の交通機関・輸送方法
中層は郊外と中央で主要な移動手段が分かれている。
中央
大半の移動がレベル4自動運転車両(ハンドルを必要としない・完全自動制御)で行われ専用の路線で完璧に管理運用されている。
個人単位の移動は一車両での移動で行い、主要幹線道路は車両が連結することで省エネルギー・高効率での輸送が可能である。
これは人体であろうと、荷物であろうと同様である。
郊外
自動運転車両もあるがレベル3どまりであり、手動運転システムが未だ使用されている。
幹線道路及び大規模輸送経路としての電車は存在するが主要な輸送手段はトラックである。
トラックは荷物を保存するユニットと、配達を行うドローンを保存するユニットが一体化している。
トラックによって中規模の荷物を輸送し、ドローンによるポスティングが行われる。
トラックには各種種類がありピザ窯を構えたキッチンユニットと配達ドローンユニットを合わせたピザ輸送トラックによる「焼きながら移動することでの、アツアツピザサービス」が人気である。
法執行機関代行 ヴィジランテ
「新開拓地における法執行の委任についての法律」通称、”自警団法”
当法律は、入植期の人工急増に伴って増加する犯罪に対応するために企業や組合に対して治安維持のための警察権を限定的に与える目的で制定された。
各企業の統治下(主にサービス提供地や企業アーコロジー内)の治安維持のために組織または子会社を置くことが義務付けられ、対処した事件・犯罪に対して行政からその罪状に応じた協力報酬が支払われる形となっている。
現在は、警備・治安維持を専門として行う企業の台頭や治安の良化によりヴィジランテを置く企業は減少しているが、大企業や一部の中小企業は機密保持や独立した自治の維持等の理由のためヴィジランテを継続して運用しているところもある。
違法レーサー
コロード交通警備隊(C.T.G)の取り締まりの強化によって数を減らしつつある違法レーサーだが、郊外のハイウェイなどでは今だにその姿を見かけることがある。
むしろ、C.T.Gの高品質な装備と優れた実力に挑戦するためだけに違法行為を働く者すらもいる。
車種は量産車に徹底的な改造を施したものから、家が2、3軒は建てられる価格のハイパーカーまで様々(こういった高性能車両は押収後、C.T.Gが修理して運用してるとの噂も)。 C.T.Gと彼らのカーチェイスは大規模かつ派手になることが多いため、一部始終を捉えた特集は大人気番組のひとつである。
Active-ONE
観測者などから技術提携し、Couroad社が開発した磁石反動浮遊システム。
下層で採掘可能なオブジニウムを中央のコアに収納しており、円状の各所に電磁誘導用の大型磁石を設置し電力を送る事で回転するようになっている。
回転する事によって中心に電力と磁力が集まり、その影響により鉱石が反応する事によって浮力を得る事ができる。
反応した鉱石の影響でタイヤ周辺には空気の層が生成され、車はその空気の層にそって前に進んだり後ろに進んだりする事ができるようになる。
回転率が多ければ速度が上がり、電力を高めると高度が高くなる性質があり、中層や上層の車はこちらのシステムを搭載する事で比較的安価で車を生産している。
形状などは車によって変わるが、基本的にはコアが消耗品なので定期的には内部のメンテナンスが必要である。
54-ON 監視用ドローン
D.G.で採用されている監視用ドローン。
Couroad社で生産されているActive-ONEを採用しており比較的コストが安く大量生産されている。
中層の空には基本54-ONが飛んでおり、トラブルや事件などが起きた際の証拠品として使用されている。
上下にふわふわと飛ぶ姿はクラゲのようだが、こちらはデザイナーの趣味との事。
—–地上に落ちてる我が子がいたら、最寄りの回収機に渡してくれ。大事なbabyなんだ
人工季節
《概要》
公転・自転といった通常の惑星運動に縛られない星間航行が可能なヴィルーパには、季節という概念は本来なら存在しない。
しかしそれは惑星改造の完了したヴィルーパがそれまでの公転軌道を外れた星暦1000年代以降のことであり、星間航行の開始からまもなく感覚的な時間経過の指標がなくなったストレスを原因とする精神疾患が社会問題化し始めた。
また、惑星改造期の移民達によって持ち込まれた他星系の文化も1000年近い時を経て形を変えながらヴィルーパに定着しており、そこに含まれる季節行事・年中行事といった側面からも「季節の再来」を望む声が多く上がるようになっていった。
このことから当時の政体によって限定的ながらも対策が講じられたといわれ、現在はかつてヴィルーパが恒星系にあった頃の暦を再現して四季が巡るように制御された地域が存在している。
《性能》
天蓋や気候制御装置などの設備を調整することで人工的に季節が移ろうよう制御しており、ヴィルーパ自体が置かれた宇宙環境による影響はあるものの概ね1年で四季が巡るようになっている。
一般的な人口季節の制御下における気候はその時の季節感を感じられる程度の変動にとどめられ、どの季節であっても快適に過ごすことが可能なよう配慮されている。特に上層では世間の情勢や政治・経済などへの影響を考慮して計画的に天候が決定され、「天気予定」として1~2週間単位で発表・運用されている。
具体的な天候まで含めて人工季節が十分に制御されているのは、(研究や環境保護目的などの特殊区画を除けば)上層全域と中層のごく一部に限られる。それ以外の地域では生命維持に支障がないよう環境の安定化が行われるのみで季節までは保証されないが、上層を基準とした季節・気候の制御による揺らぎを受けることで天候が変化することもある。
下層や外殻近くといった地域における人口季節の恩恵はさらに薄く、中層を介した気候の揺らぎや上層の季節感にもとづく企業・工場の操業状況、外殻を隔てた宇宙空間の状態などによって環境を大きく左右される。条件によっては極限環境のような様相を呈する場合もあり、ヴィルーパにおける層ごとの差別を広げる一因ともなっている。