宗教
ヴィルーパに存在する宗教。
宗教の一覧
主要な宗教
標規正会
標規正会 – Archprogress
【ひょうきせいかい – アーキプログレス】
概要
古代文明の文化やオーパーツ等の遺産を神の祝福として享受するとともに、それらを利用した技術開発を通して『人間を神に近づける』ことを教義に掲げる宗教組織。
ヴィルーパ開拓初期においてオーパーツなどの発掘に携わった労働者層から生まれた信仰とされ、その過酷な環境にサイバネ化や義体化を強いられた境遇や古代文明の技術に対する羨望が結びついたのが始まりと伝えられている。
現在はビジネスやファッション目的でサイバネ化を行う中層住民や、義体パーツやメンテナンスの無償提供といった慈善事業の恩恵にあずかる下層住民など、サイバネ技術を日常的に扱う人々を中心に信仰が広がっている。
一方で暗い噂の絶えない団体でもあり、義体メンテナンスの際に得られる個人情報の不正利用疑惑、不法なオーパーツや技術の流通、さらには次世代技術の実験台を目的とした人身売買といった都市伝説的な話題まで囁かれる。
信仰
『標規正会』ではヴィルーパ古代文明に存在した高度な技術や文化を『神の導きによって生み出されたもの』として崇拝し、現代文明を同等以上の領域に到達させることを目標としている。
その手段として『優れた規格による人体の機械化』を掲げており、統一された完全な機械化こそが個人の肉体という楔から人間を解き放ち、高次文明へのアセンションが果たされると信じられている。
しかし次世代サイバネ規格の座を求めて多くの派閥が争うように技術開発を行っており、予算や人的リソースを巡った教団内での対立が絶えないことから、決して一枚岩の組織であるとはいえない。
影響力
サイバネ・電脳・義体の技術を布教するために宗教組織ながら様々な製品を世に送り出しており、主に下層・中層の労働者層を中心に大きい支持を集める。
また組織内で様々な技術規格が乱立していることが皮肉にも功を奏し、パーツの対応幅や汎用性の高さによって流行や用途に合わせる自由度が高いという観点から、製品群が好評を博していることも支持の後押しになっている。
これらの支持層およびそれを背景とした資金力から十三連合の企業といえど無視できない経済的影響力を持ち、企業が巨大な力を持つヴィルーパにありながら単なる宗教団体以上の地位を確立している。
実力部隊
第666分室
表向きにはこのような名前の部門は存在しないとされているが、その実態は教団の汚れ仕事を一手に引き受ける戦闘部隊。
所属する者のほとんどが重度のサイバネ化または義体化を施しており、条件に応じて身体を組み替えることで潜入・暗殺から重目標の殲滅まであらゆる任務に対応する。
戦闘用を含む新型義体の実戦テストを任されることもあり、それを扱う人員の能力ともども高い技術水準を誇る部隊として裏社会では恐れられる。
O_RMECHA
O_RMECHA【オルメカ】
概要
サイバネ系宗教「標規正会」から分派した宗教組織。
組織名の由来は『Ooparts-oRgans of MECHanical Absolute』の略称であり、その名の通りオーパーツを神の臓器として信仰する者たちが所属している。
高度なオーパーツを求めて危険な活動を繰り返すことで知られるが、その原動力は神への純粋な興味だけであるらしく、反体制的な団体が意識することの多い社会的地位や体制の転覆といった事象は意に介さない。
このことから彼らの信仰は一般にほとんど浸透しておらず、組織としての実態にも謎が多い。
オーパーツが絡む事案では他の組織と小競り合いになることも多いほか、遺物や技術の違法取引などを目的とした裏社会の組織とも繋がりがあるとされ、ヴィルーパの統治者たる企業たちからは単なる一宗教の枠に収まらない脅威として認知されている。
信仰
『O_RMECHA』では『標規正会』と同様、ヴィルーパに存在する遺産を『かつて存在した神によって導かれた文明』として崇拝している。
しかし遺物の中でも高度なオーパーツのことを『神体を構成していた臓器・器官の一種』という特異な認識で捉えており、散ってしまった神体を再構築することで『“唯一絶対なる神”の再臨』が可能だと強く信じている。
神体たり得るオーパーツを探し出すための発掘探査や技術開発を主な活動としていることから単なる研究者集団とも思われがちだが、最終目標となる神の降臨を達成するための犠牲は厭わないという過激さも併せ持つ。
組織の母体であった『標規正会』では人間を神に近づけようとしているのに対し、『O_RMECHA』は神それ自体の再現を目的にしている点で信仰の方向性が異なる。
影響力
保有するオーパーツや技術情報を秘匿する目的から閉鎖的なコミュニティを形成しているとみられ、一般社会における認知度はあまり高くない。
しかし独占的にオーパーツを収集・利用している事実や手段を選ばない過激さから、社会に対する潜在的な影響力は極めて大きいとして要注意団体に指定されている。
また活動の中で十三連合を含む企業などと対立する機会も多いためか、『O_RMECHA』を支持するレジスタンス派閥や違法組織も少なからず存在しており、(彼らにそのつもりが無いとしても) 反体制的な流れをまとめるカリスマとして機能する可能性からも警戒が必要な団体といえる。
実力部隊
他の団体に比べて規模が小さいことや古代文明遺跡の発掘・研究に注力しているなどの組織の性質からか、特定の武力組織を有することはこれまで確認されていない。
しかしオーパーツの扱いに長ける者が数多く所属していることが分かっており、その実力には未知数な部分も多いことから接触の際には細心の注意が必要である。
ガーティー教団
ガーティー教団 – Gartye Religious Body
【がーてぃーきょうだん – ガーティー リリジアス ボディ】
概要
「生まれ持った肉体こそ、神が与えた至高の身体である」という思想のもと、サイバネ化や義体化を行わずに生活することを信条とする人々が集う宗教団体。
ヴィルーパ開拓期の移民たちが母星から持ち込んだ宗教を起源としており、その際に伝えられた経典の一節が教団名の由来とされる。
持ち込まれた当初は「精神的修行によって救いを得る」といった信仰であったと言われているが、惑星改造期の過酷な環境をはじめとした時代背景から「肉体の鍛錬によって生き抜く」という形への再解釈を経て現在に至る。
種族や出自を問わず多くの信者を擁する寛容さで知られるが、非サイバネ化人口が比較的多い中層・上層に暮らす者が主な構成員であるためレジスタンス活動のターゲットとなることもある。
信仰
『肉体の人為的な機械化を避ける』という価値観は教団全体で共有されているが、その程度や方向性は個々人によって様々であり、ヴィルーパに暮らす種族の多さも相まってその実情は多様を極める。
宗派の一例としては『機械化に頼らず、自らの肉体を極限まで高める』ものや『自然のままを受け入れ、日々を穏やかに過ごす』などといった信条が知られ、その多くは生きる上でのひとつのスタンスという教えであることから、異宗派や信者でない者の間でも互いを尊重する形でおおむね好意的に受け入れられている。
しかし教団成立から間もないヴィルーパ開拓期の過酷さを伝える古参の宗派においては『生まれ持った完全な肉体以外を認めない』という原理主義的な考え方が根強く、そういった宗派には排斥ともいえる程の過激な“布教活動”を行う狂信的な信者もいることからトラブルに繋がることも多い。
影響力
生活する上で何かしらのサイバネ化がほぼ必須の下層において入信する者は少なく、生活に余裕がありつつも人生の指針を求める中層・上層の中流階級や富裕層が主な支持層および財源となっている。
また、その思想から身体を鍛えることを要求される武芸・競技と相性が良く、十三連合を含む大企業をスポンサーに持つような有名アスリートにも信仰する者が多いことから政治的にも強いパイプを持つ。
これらの支持層を背景に教団内の混沌とした種族や宗派・主張を上手くまとめ上げており、その教義からは想像し難いほどの政治的手腕を発揮する強固な組織としての側面も有する。
実力部隊
アスラの道
多様な思想が共存する教団の中でも特異な、『戦闘技能における強さこそが全て』という信条を持つ宗派。
教団の中でも相当に長い歴史を持つとともに古来より様々な武術を伝えており、その実力は利害関係にある組織の脅威を寄せ付けない抑止力として働いている。
一方で戦うことを至上とするがゆえの敵に対する容赦の無さでも知られ、ただの宗教団体が持つには過剰な戦力であるとして批判の目を向けられることもある。