Tufver
Tufver【タフヴァー】
正式名称:Universe Various Tactical Electricity Flight Rugby
概要
径約100m、高さ17mほどのコートで行われる球技。
物質の重力に干渉することのできるオーパーツを技術転用することによって、無重力のスタジアムを形成して行う。(ボールも同様に制御される)
競技の由来は宇宙商船などで嗜まれていた「スペースラグビー」がベースになっており、より空間的かつ戦術的な戦い方を楽しめる競技へと派生している。
ただし競技の性質上、元となった異星の競技「ラグビー」とは異なる部分が多く、どちらかといえば「アメフト」と呼ばれる競技に近い性質がある。
メンバーはフィールド17人・リザーブ15人の計32人を1チームとし、選手は各々の身体能力を生かした個別の推進装置とプロテクターを身に着け競技を行う。
推進装置はバッテリー駆動式で、これは公平性のため試合開始直前に全ての選手へ同じものが配られることになっている。
重力下で行う競技と違い体格の差が有利に働くか不利に働くかは戦術次第であり、体格が小さければ推進装置を効率的に運用できる利点が生まれ、体格が大きければ制圧面積の大きさやタックル時のパワーへと直結する。
試合時間は45分x2の前半後半戦、間に20分のハーフタイムがある。
リザーブの選手はいつでも交代でき、基本的には体格の大きな選手が推進装置のバッテリー切れのため交代することが多い。
推進装置は中央体格 (身長180cm、体重100kg) の選手でだいたい50分間稼働するくらいの量となっている。
ボールを持った選手は基本的に前進しか行えず、逆にパスは後方にしか送れない。
無重力空間だが、ボールだけそこそこ重力の影響を受ける作りになっており、フィールドは基本的に上部をメインに使われることが多い。
しかし特にどこを通らないといけないという決まりはないため、奇策として下部をメインとするチームもある。
選手の条件
参加選手の条件として必要な要項はスタジアムごとに異なるが、ヴィルーパで最も大きな大会では明確な定義を設けられており、その定義を軸に周囲のスタジアムも設定されていることが多い。
- 最長範囲 (体の部位を伸ばしたときに一番距離が長い部分) が4.6m以内に収まること
- 身体に大きな障害を抱えていないこと (接触が多いため事故防止のための措置)
- 自律して行動が可能であること (ロボットでも参加できるが遠隔操作などは禁止)
下層から見たタフヴァー
下層では中層の放送などを見て賭け事を行ったり、中層で破棄された生きている装置を流用したコートを用いて試合を行うことがある。(イレギュラーコートのため、事故が発生した記録もある)
当然ながら推進装置も廃棄品などを利用し、バッテリーに至っては公平性などとられていないためプレイヤー間での強弱がそもそもの時点で生まれていることが多い。
一方でこの競技は中層人気の高さゆえに、有能な選手であることが目につけば下層の民であろうともスカウトを受けることがあり、選手として中層での名誉ある地位を約束されるため憧れる人間も数多く存在する。
余談だが、スタジアムを形成する装置とボールは下層の遺跡からよく取れるので、盗掘して売りさばく人間も数多くいる。
中層から見たタフヴァー
人気競技のため中層全域で活動が活発に行われている。逆に言えば、公式スタジアムはこの層にしか実は存在しない。
主に試合を行う場所であり、メインの活動拠点。ヴィルーパ最大の大会もこの中層で行われ、実に20万人もの人がスタジアムに集まると言われている。
メディアや他層から来る人などにより文化の交流となることも多く、時には星外の放浪船から選手になるため定住してしまうなどといった人もいる。
しかしそれ故、差別や非難の温床になってしまう部分も隠れながら同居しており、明るい話の限りではないことが嘆かわしいことである。
良くも悪くも話題になりやすいスポーツである。
上層から見たタフヴァー
オーパーツの技術を用いたスタジアムという性質や上層の特別性ゆえに、様々な理由を考慮して上層自体でこのスポーツを行うことはない。
しかし競技自体の注目度は非常に高く、最新技術をお披露目する場としてスポンサーになる企業や、純粋に娯楽としてスポーツを楽しむ個人もいる。
上層人が中層に触れるきっかけになることも多く、本当の意味でスポーツが境界をなくしているという部分なのかもしれない。
局員から見たタフヴァー
競技自体を純粋に楽しむ人間も数多くいるが、その多様性が逆にイレギュラーを呼ぶこともあるため違う側面から観測対象となっている。
謎の失踪した選手が実はオーパーツにより生み出された生命体だったことも過去にあり、参加条件の緩さや隠れ蓑として機能してしまう部分があるため、素直に楽しめない局員もいるとか。