資料
シリョウ設定資料集

資料 >

特殊組織

特殊組織

ヴィルーパに存在する特殊な組織について。

スマイリー

「道具は人の為に使われてこそ、人々を笑顔にする為にある」を信条にオーパーツを蒐集、求める者に与える組織。
オーパーツを手に入れる為には殺人・強奪など手段は問わない。

また、オーパーツを与えた先に結果として不幸が起ころうと、過程で幸せだったのならいいだろう?と無責任なスタンスをとる。

組織のトップは、細身のスーツ姿にモノクロのスマイリーマークが描かれた紙袋を被る、通称「スマイリー」。
組織の実態、規模などは謎に包まれているが、行動を起こす際には必ず「スマイリー」が現場に居る。


「道具は人に使われてこそ!人々を幸せにする為に我々が与えましょう!スマ〜イル!」

ト是

ト是【とぜ】

ヴィルーパにて、「概念」という認知できない物を取り扱う第一指定違法取引グループ。

彼らの取引では、本の形状をしたオーパーツによって「概念」という世界の理に近いものを出力し、対象の認識・概念を変化させる行為を取り扱う。
取引の対象者はト是から提示されたものと等価になる概念を本に出力することで、要求する概念との取引が可能である。

ト是との取引で得た概念は本人に適応されるものであり、周りに影響を及ぼすものではない事が実験にて確認されている。


「なぁ、あんた。“火”ぃ貸してくれねぇか?」

—中層からのエレベーターの影、勝手やたらに建てられたバラックとバラックの間から、垢と泥で汚れた手にはおよそ似つかわしくない装丁の本を差し出しながら男が声をかけてきたという報告があり、彼らの動向・目的を調べる必要がありそうである—


関連項目:【本】

マフィア『獣の牙 (ファング)』

構成員のほとんどがヴィルーパ中層・下層の獣人族で構成される、中小マフィア組織。
本拠地は下層に置かれており、中層には窓口を兼ねた小規模な事務所が存在する。

役職が体の部位の名前となっており、下層市民の一部では日常会話に偽装した暗号として用いられる事もある。

組織のボスである『牙の心臓 (ハート)』を筆頭に、オーパーツの管理・研究を行う『牙の脳 (ブレイン)』、下層の獣人支援活動を行う『牙の血 (ブラッド)』、 外交や諜報を扱う『牙の目 (アイ)』、運び屋として人や物・時にオーパーツを運ぶ『牙の足 (レッグ)』などの部門が存在する。

このほかに『牙の尾 (テイル)』と呼ばれる中層市民をメインターゲットとした組織直営の風俗街があり、下層の男娼と娼婦達が文字通り「尻尾を振って」出迎える歓迎をしている。

明確に役職を持たない一般構成員は『牙の毛皮 (ファー)』と呼ばれ、他部署で人手が欲しい時に動員されたりする。

事業・活動について

『獣の牙』は公には色ツキ獣人 (下層における社会的弱者) の保護をしたり、縄張り内での獣人族向け職業紹介・下層貧民街での食料配給・貧民街での学習支援や嗜好品 (紙巻き煙草) の製造・販売といった事業を行っている。

下層において半ば公の活動としては下層獣人族の風俗街を持っており、中層市民へ比較的安全な「下層での火遊び」の提供をしたり、下層の治安維持活動という名目で用心棒を請け負っている。
(ここで言う「治安維持」とはあくまで治安の悪い下層の基準でいう、地元住民達のための治安を守ることであるため注意が必要である。)

長期的な活動としては下層貧民獣人族の識字率や知能指数を底上げすることで、縄張り内の獣人族全体の立場向上や、より金になる事業展開を目指している。

また後述の理由から、縄張り内の獣人族が発見して保有・秘匿しようとしているオーパーツの発見・買い取りを行っている。

裏での事業

繋がりのある企業などからの依頼を受けて敵対企業などの人物を誘拐、内密にレジスタンスに「譲渡」あるいはオーパーツと「交換」している。
また要人排除の見返りとして企業からの技術供与や中・下層で入手の難しい物品を取得して、それを利用した事業展開を行っている。

一方で合法・非合法を問わずオーパーツ収集をしており、オーパーツの運搬や簡易的な解析など、下層でのアンダーグラウンドな取引の一部を担っている。

『獣の牙』でのオーパーツ収集目的は主に2つ。

  1. レジスタンスが力を持ちすぎること (要するに武力による中層・上層の転覆) を良しとしておらず、彼らが入手するオーパーツをある程度制御しようとしている。
  2. ボスである『牙の心臓 (ハート)』の強い意向により、過去 (前ボス時代) に保有していたオーパーツを探している。

『不老』のオーパーツ

『獣の牙』がかつて保有していたオーパーツ。
外観は中央に小さな棘の付いた持ち手を備える、ハンドスピナー状の物体。

使用者は棘に指を刺した状態でハンドスピナーとして使用することができる。使用すると回転部が発光し、オーパーツを取り落とすほどの強い衝撃を心臓に受けたような感覚を覚える。
使用者はその後『不老』となり、老衰・寿命で死ぬ事が無くなる。

詳細

起動時に使用者のテロメアの長さを固定し、細胞分裂等で複製されても元の状態を維持する効能を持つ。
使用の際にハンドスピナーを回転させる方向は無関係。

『不老』になってもテロメアが減らなくなるだけであるため、代謝・睡眠も通常通りであり、自然治癒しきれない怪我をすれば治らず、殺せば死ぬ。
DNA損傷に対してはある程度の耐性と修復力を得るが、『不老』の無い状態で致命的となるほどの損傷を受けるとDNAが損傷したままになり、その状態が永続的に続く。

効能の関係上、DNAを持たない存在 (機械生命体・情報生命体など) やテロメアを持たない生物には全く効果が無い。

使用の副作用として、過去への時間感覚が『不老』獲得時に止まる事で加速度的に曖昧になる。
例えば使用から1000年生きた場合、980年前の出来事も数日前の出来事も「つい最近」の認識となる。
『不老』に伴って記憶力が向上する訳ではなく、記憶から欠け落ちた出来事は「つい最近の出来事なのに思い出せない」という状況に陥る。

また、基礎代謝が増加するとともに食性が動物性タンパク質偏重へ変わり、消費カロリーも増えて相対的なスタミナが著しく低下してしまう。
摂取カロリーが確保出来ない場合、痩せずに飢餓死する。

マフィア『獣の牙』との関わり

『獣の牙』前代ボスは、出処は不明だが『不老』オーパーツを入手し、中年期に『不老』を獲得した。
前代ボスは信用した少数の腹心 (『獣の牙』幹部など) 以外、家族にすらそのことを秘匿していたため、ボスのジュニアは前代ボスより先に老衰で死亡。

子供が老衰で死んでなお親が若い姿のまま健在であることから、下層で「不老不死」のオーパーツを持っているという噂がにわかに広まる。
噂の裏取りによりオーパーツの存在を確信した上層の富裕層や一部企業が武力行使を行い、全面的な抗争状態となった。

抗争の中で前代ボスは銃撃を受け、呆気なく死亡。このことで富裕層や企業の期待していた「不老不死」ではないことが証明されるが、肝心のオーパーツも抗争の騒ぎの中で何者かの手により破損し失われてしまったとされる。

オーパーツ破損の真偽や現在の所有者は不明だが、まだ下層にあるのではないかという噂が抗争収束後から十数年ほどの間にわたって流れ続け、これを探す者が絶えなかった。

前代ボスの落命から少しして一度『獣の牙』は離散したが、10年ほど前に前代ボスのひ孫により同名の組織が再結成され現在に至る。
現ボスは前代ボスを神格視するとともに『不老』のオーパーツを渇望し、『獣の牙』構成員にはマフィアとしての活動の傍らでオーパーツ収集や研究を行わせている。